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ルール

- TOPBRIGHTS MMAルール -

 

第1条 体重階級制
(1) 試合は次の11階級において行われる。
①スーパーヘビー級120.2kg以上
②ヘビー級………… 120.2kg以下93.0kg以上
③ライトヘビー級… 93.0kg以下83.9kg以上
④ミドル級………… 83.9kg以下77.1kg以上
⑤ウェルター級…… 77.1kg以下70.3kg以上
⑥ライト級………… 70.3kg以下65.8kg以上
⑦フェザー級……… 65.8kg以下61.2kg以上
⑧バンタム級……… 61.2kg以下56.7kg以上
⑨フライ級………56.7 kg以下52.2kg以上
⑩ストロー級……… 52.2kg以下47.6kg以上
⑪アトム級……… 47.6kg以下
(2) 前項に属さない試合は、無差別級とする。
(3) 主催者は、その裁量の下で、キャッチウェイトの試合を承認することができる。試合が公正、安全で競技上問題がないと判断する場合には、上の区分に関わらず、上限体重を定めることができる。

第2条 計 量
(1) 競技者は、審判部の立ち会いのもと主催者が指定する日時に行われる公式計量に合格しなければならない。
(2) 公式計量に合格できなかった場合の再計量は、公式計量の開始時刻から2時間以内とする。再計量にも合格できなかった時は相手の競技者が承認した場合に限り、キャッチウェイトにより試合は行われる。ただしこの試合は公式計量をクリアした選手が勝った場合のみ公式記録となりそれ以外の結果は全て無効試合となる。
(3)契約体重を超えることは一切許容されない。
(4) 男子競技者は上半身裸、下半身は必要最低限の衣類で、女子競技者は上下とも軽装で計量を受けなければならない。
(5)競技者が公式計量に合格せず、再計量にも合格できなかった場合、契約上のペナルティが課せられる。また、計量を故意に無視する、計量に合格するまで再計量に臨まない、あるいは、再計量において体重が増加するなど、試合出場に向けて最善を尽くさない場合にはペナルティが加重される。計量不合格によるペナルティ不履行にかかる裁判の管轄は主催プロモーターの住所・所在地の裁判所とする。
(6)タイトルマッチにおける計量の不合格については、第28条(4)の定めによる。


試合場

第3条 試合は、ケージ内またはリング内において行われる。

競技用具等

第4条 必ず着用しなければならない競技用具
 ①オープンフィンガーグローブ
競技においては、コミッションの承認を得たグローブがプロモーターから競技者に貸与される。競技者が自分の所有するグローブを使用することはできない。
 ②マウスピース
  マウスピースを装着していない状態でラウンドを始めることはできない。
マウスピースが競技中に偶然外れた場合、レフェリーは、適時にタイムを要求し、迅速にマウスピースを再び競技者の口に入れなければならない。
 ③ファウルカップ(男子)
  ファウルカップは審判員により競技上支障がないと判断されたものを着用しなければならない。
 ④コスチューム
  競技者は、下記の要件を満たしたショートスパッツ、MMAショーツ、バーリトゥードショーツ、キックボクシングショーツ等を着用する。ショーツの下にショートスパッツを履く場合、ショーツの丈を超えるものを着用してはならない。
ⅰ)金属・プラスチックの部品が使用されていないもの
ⅱ)着用時にずれないための加工がされているもの
ⅲ)ポケットや紐に類するものが表側に付いていないもの
ⅳ)膝上丈までのもの
ⅴ)清潔で破損の無いもの
ⅵ)その他、審判員により競技上支障がないと判断されたもの
 ⑤女子競技者用コスチューム(ラッシュガード(半袖もしくは袖のない物)、セパレート、ワンピース等)(女子)

第5条 任意で着用できる競技用具
バンデージおよびテーピング
ⅰ)競技者は、手にバンデージやテーピングを巻く場合、拳の前面部(ナックルパート)および拳骨部分にテーピングを使用してはならない。ただし、指と指の間に細く切ったテープを通すことは認められる。
ⅱ)バンデージやテーピングの内部に芯、紙縒り、その他の異物を巻き込んではならない。
ⅲ)拳に装着した状態で拳骨の形が確認できない厚さに巻いてはならない。
ⅳ)ハンドラップ以外の身体部へのテーピングは審判員により競技に支障がないと認められた場合使用できる。
ⅴ)バンデージやテーピングはグローブの手首から出てはならない。
ⅵ)ハンドラップに使用できるバンデージは白色の柔らかいガーゼ製で、幅約5cm(2インチ)以下、長さ約13.7m(15ヤード)以下のものとし、使用できる長さは、片方の手に1本分(1ロール)までとする。テーピングに用いることができるテープは、競技に支障がないと審判員により判断されたもの(白色のアスレチックタイプ等)で、幅約3.8cm(1.5インチ)以下、長さ約13.7m(15ヤード)以下のものとし、使用できる長さは、片方の手に1本分(1ロール)までとする。
 ②サポーター
競技者は、金属・プラスチック・硬質ゴム・紐・マジックテープ等の部品が使用されておらず、また、緩衝素材等によるパディングがされていない布製またはネオプレン製のもので、審判員が競技に支障がないと認めるサポーター類を膝、足首に着用することができる。
 ③アブドメンガード(女子)

第6条 指定外の物品および塗布物
(1) 第4条と第5条で指定された競技用具以外の着用、または規格外の競技用具の使用は認められない。
(2) 競技者は、ファールカップ以外に、硬質のものを使用してはならない。いかなる宝飾類、ピアス等も身につけてはならない。
(3) 男子競技者の上半身は裸とする。競技中に道着やシャツの着用は認められない。
(4) 競技者は、審判員によって顔面部に塗布されるワセリン以外に、いかなる部位にもワセリン、油脂類、整髪料、滑り止め等一切の薬品、塗布物等を使用してはならない。ただし、女子競技者の顔への化粧は、対戦する競技者に不快感を与えず、競技にも支障を来さない程度において認められる。
(5) 競技者は試合前とラウンド間のインターバルに審判員から顔(眉部、鼻から頬上部にかけて)に適量のワセリンを塗布されることができる。

第7条 指定外の物品や塗布物の使用に対する処置
(1) 競技者は、試合前に審判員によるチェックを受けていない競技用具、審判員のサインが書かれていないバンデージおよびテーピング、ワセリン等の禁止されている薬品や塗布物等を使用してはならない。
(2) 審判員は、指定外の物品や塗布物の使用を発見した場合、あるいはそれらの使用が疑われる場合には、それらを除去する処置を取らなければならない。

(破損等の場合の処置)
第8条 審判員は、競技者の競技用具や服装に関して次のように処置する。
(1) 競技者の競技用具や服装が常態でなくなった場合、審判員がなるべく手早く処理するために一時試合を中断する場合がある。
(2) 競技用具が故意、偶然にかかわらず試合に支障を来すような破損をした場合、審判員は試合を止め、速やかに最善の処置を取る。ただし、競技者自身の責任により試合用コスチューム、マウスピース、ファウルカップが破損し、試合続行が不可能になった場合は失格とする場合もある。
【注記】本条第2項の場合に備えて、試合用コスチューム、マウスピース、ファウルカップは予備を用意するものとする。

第4章 試 合

第9条
(1) タイトルマッチ以外の公式戦の試合時間は1R3分~5分としラウンド数は2R~3Rとする。
(2) タイトルマッチの試合時間は、5分5ラウンドとし、ラウンド間のインターバルは1分とする。

(試合の勝敗)
第10条 試合の勝敗は、ノックアウト(KO)、タップアウト(TO:サブミッション)、テクニカル・ノックアウト(TKO)、判定(デシジョン)、失格により決定する。

第11条 ノックアウト(KO)
競技者が対戦相手の攻撃により戦闘不能、または意識を失っているとレフェリーが判断した場合。

第12条 タップアウト(TO:サブミッション)
(1) 競技者が、声でギブアップの意思表示を示した場合(バーバル・タップアウト)。
(2) 競技者が、手で相手かマットを2回以上叩き、ギブアップの意思表示をした場合(フィジカル・タップアウト)。
(3) 競技者がレフェリーにギブアップの意思表示と判断される行動をとった場合。


第13条 テクニカル・ノックアウト(TKO)
(1) レフェリーが試合続行不可能と判断した場合。(一方の競技者が相手の正当な攻撃により著しく劣勢になった場合や、自らの責任により負傷した場合等:レフェリーストップ)
(2) ドクターが専門的見地から選手の状態をレフェリーに伝え、レフェリーが試合続行不可能と判断した場合。
(3) ラウンド中に競技者が身体機能の制御をなくした状態になった場合(嘔吐、失禁、脱糞等)。
(4) セコンドが規定のタオルを試合場内に投げ入れ試合放棄の意思を示した場合。

第14条 判 定
(1) 試合の決着が時間内につかなかった場合、所定の審判員3名の採点により勝敗を決する。各審判員は各ラウンドの優劣を採点し、合計点により3名のうち2名以上が優勢と判定した競技者を判定勝ちとする。
(2) 判定基準
10ポイント・マスト・システムが採点の標準システムである。10ポイント・マスト・システムの下では、そのラウンドの勝者に10点が与えられ、敗者には9点あるいはそれ以下の点数が与えられる(まれに10-10となるイーブンのラウンドを除く)。
①判定においては①効果的な打撃/グラップリング(プランA)、効果的な積極性(プランB)、ファイティングエリアコントロール(プランC)の3点からなるMMA技術を評価する。プランBとプランCはプランAが同等であると評価されない限り考慮しないものとする。
②効果的な打撃/グラップリングを、各ラウンドにおける評価の第一優先順位とする。効果的な積極性は、効果的な打撃/グラップリングが同等な場合の評価に用いられ、ファイティング・エリア・コントロールは、他の基準が同等である場合に限り考慮される。
③効果的な打撃:試合の決着に向かって影響力を有するインパクト(impact)が評価される。打撃の数による累積的なインパクトよりも試合の決着に向かう重いインパクトが重視される。
④効果的なグラップリング:試合の決着に向かって影響力を有するインパクトが評価される(インパクトを作り出すテイクダウン、サブミッションの仕掛け、リバーサル、有利なポジションの獲得など)。累積的なインパクトよりも試合の決着に向かう重いインパクトが重視される。例えば、トップポジションとボトムポジションの競技者間の攻防の場合、ポジションよりも、それらの行為のインパクトの大きさ/効果的な結果が重視される。
⑤効果的な積極性(aggressiveness):試合の決着を積極的にねらうことを意味する。両競技者の効果的な打撃/グラップリングが同等であった場合に考慮される。効果的な結果やインパクトが見込めず、ただ相手を追うような行為は効果的な積極性として評価に加味されるべきではない。
⑥ファイティング・エリア・コントロール:どちらの競技者が試合のペース、場所、ポジションを支配していたかを判断することによって評価される。ファイティング・エリア・コントロールは、両競技者の効果的な打撃/グラップリングと効果的積極性が同等であった場合にのみ考慮される。
⑦次の採点基準が各ラウンドの判定時に用いられなければならない。
ⅰ)10-10:両方の競技者が互角であり、どちらの競技者にも優位性がない場合。
※10-10のラウンドは極めてまれであるが、主にラウンドが完全に終わらなかった場合などにあり得るスコアである。しかし、両競技者間にわずかばかりでも差があるならば、10-10をつけるべきではない。

ⅱ)10-9:一方の競技者が、効果的な打撃・グラップリングあるいは他の技術をより発揮して、僅差で優勢な場合。
 ※10-9は、ジャッジが最も一般的に用いるスコアである。ラウンドの時間中、一方の競技者がより効果的な打撃を当てている、あるいは効果的なグラップリングを駆使していると見たならば、それが相手よりたった一つ上回っているだけであっても、ジャッジは優勢の競技者に10点を与え、劣勢の競技者に9点あるいはそれ以下の点数を与えなければならない(9点は劣勢の競技者に自動的に与えられるスコアではない)。10-9は、インパクトや優位性(dominance)にわずかな差がある僅差のラウンドを反映するスコアである。
ⅲ)10-8:一方の競技者が、打撃やグラップリングによって圧倒的(overwhelmingly)に試合を支配した場合。
 ※10-8は、一方の競技者が大差でそのラウンドに勝利した場合に用いるスコアである。インパクト、優位性、そして支配時間(duration)の要素のうち2つにおいて優勢が顕著であれば、10-8のスコアの可能性が考慮されなければならず、これら3つの要素すべてにおける優勢が顕著であるならば、10-8のスコアが与えられるべきである。また、一方の競技者が攻撃的な兆候をほとんど見せなかった場合は、ジャッジはその競技者に、9点ではなく、8点を与えることが望ましい。
 a)インパクト(Impact):優位性など他の要素が欠けていても、一方の競技者がそのラウンドで相手に非常に大きなインパクトを与えた場合は10-8を検討すべきである。試合の決着へと向かう頭部やボディへのインパクトのほか、裂傷や腫れなどの目に見える形跡も評価に含む。また、打撃やグラップリングを用いて、相手のエネルギー、技術、精神力、自信などを減退させた場合も同様である。これらのすべてはインパクトによって直接もたらされた結果として評価される。
  ※ただし、裂傷や腫れは、インパクトの結果として評価すべきであっても、出血量の多さや腫れの大きさを過大に評価すべきではない。例えば、一方の競技者が出血した状態であっても、効果的な打撃/グラップリングで優勢である場合は、これらの優勢を重く評価すべきである。
 b)優位性(Dominance): MMAは攻撃性がベースにある。打撃の攻防で劣勢の競技者が防戦一方となり、カウンターや反応ができず、自らスキを見せているときなどは、顕著な優位性があると評価すべきである。グラップリングの局面における優位性は、優位なポジションを取り、そのポジションが試合を決着させるサブミッションなどの攻撃に導く場合に見出される。単に優位なポジションを保持しているだけでは、優位性を評価するにあたっての主要な要素とはならない。競技者がそのポジションで何をするのかによって評価されなければならない。
c)支配時間(Duration):支配時間は、一方の競技者が相手を効果的に攻撃し、他方、相手がほとんど攻撃的な姿勢を見せられなかった状態が継続した時間によって決められる。ジャッジは、ラウンド中に、一方の競技者が効果的な攻撃やコントロールを続けたとき、その相対的な時間を認識して支配時間を評価する。スタンドポジションとグラウンドポジションのどちらにおいても同様である。
ⅳ)10-7:一方の競技者が、打撃やグラップリングによって完全(totally)に試合を支配したとき。
  ※10-7のラウンドは、一方の競技者が、効果的な打撃/グラップリングによって相手を完全に圧倒し、レフェリーストップに相当する場合である。このスコアは、ラウンドにおける圧倒的な優位性と非常に大きなインパクトが必要であり、レフェリーストップもあり得たとジャッジが考えた場合に用いられる、非常にまれなスコアである。
⑧判定においては、攻防ポジションの時間の長さを次のように認識して、攻防の優劣を評価しなければならない。
ⅰ)競技者がラウンドの大半の時間をグラウンドポジションで費やした場合
   a)効果的なグラップリングが最初に重視され
b)効果的な打撃は次に評価される
ⅱ)競技者がラウンドの大半の時間をスタンドポジションで費やした場合
a)効果的な打撃が最初に重視され
b)効果的なグラップリングは次に評価される。
ⅲ)スタンドポジションとグラウンドポジションの長さが比較的同等でラウンドが終わった場合は、打撃とグラップリングは同程度に重視される。
(3) 偶発的な反則やアクシデント等に起因する負傷により試合が続行できなくなった場合の判定については第25条に定める。

第15条 引き分け
(1) 時間内に勝敗がつかず、3名の審判員のうち2名以上が同一の競技者を優勢と判定しなかった場合。
(2) 両方の競技者がほぼ同時にノックアウトされたとレフェリーが判断した場合。
(3) テクニカル・ドロー(第25条(4)を参照)

第16条 失格(反則負け)
(1) 競技者が第5章に定める反則行為を犯し、レフェリーの裁量により、失格と判断された場合。
(2) セコンドが第7章の規定に著しく違反し、レフェリーの裁量により、失格と判断された場合。
(3) その他、計量の不合格、競技用具の破損等、試合の成立を著しく損なう行為があった場合。

第17条 ノーコンテスト
(1) 第25条(6)に定める場合
(2) 審判員または主催者の判断、もしくは両者の協議により、試合不成立と判断された場合。

第18条 映像によるインスタントリプレイ、ならびに試合結果の保留
(1) レフェリーは、試合の結果を裁定するにあたって、試合の結末に至る局面やながれが反則によって引き起こされた可能性がある場合に、映像によるインスタントリプレイを求めることができる。レフェリーは、リプレイから得られた情報をもとに試合結果を裁定することができる。ただし、その情報をもとに試合を再開することはできない。
(2) リプレイによっても事実が明らかにならない場合、あるいは、試合場にリプレイのための設備がない場合など、試合の裁定をその場で決するのに適さない事態が発生した場合、審判員は試合結果を保留し、主催者の審議に預けることができる。
(3) 試合時において、裁定を決するための前提となる事実が明らかにならない場合、審判員は、仮に裁定を下すことができる。仮に下された裁定については、後刻事実を確認したうえで、2週間以内に正式な裁定を下さなければならない。

    第5章 反 則

第19条 反則に係るポジションの定義は次の各項のとおりとする。
(1) スタートポジション
試合開始時やレフェリーが「ブレイク」をコールした後などのポジション。
(2) グラウンドポジション
 足の裏以外の体の部位(指を除く)が床に着いたポジション(グラウンドポジションであるためには、手の掌/手首/拳、またはその他のからだの部位が床に着いていなければならない)。
【参考1】グラウンドポジションになる場合
ⅰ)どちらか一方でも膝が床に着いている。
ⅱ)背中や尻が床に着いている。
ⅲ)どちらか一方でも肘が床に着いている。
ⅳ)両足とどちらか一方でも手の掌/手首/拳が床に着いている。
【参考2】グラウンドポジションにならない場合
   ⅰ)両足と片手の指先が床に着いている。
   ⅱ)両足と両手の指先が床に着いている。
(掌/手首/拳まで接地しなければグラウンドポジションとは見なされない)。
(3) スタンドポジション
 グラウンドポジションではないあらゆるポジション。


第20条 本条に定める行為は反則であり、これらを犯した場合、審判員の裁量により、相応のペナルティが課される。
(1) 頭突き
(2) 目潰し
(3) 噛み付く
(4) 相手に唾を吐く
(5) フィッシュフッキング
(6) 髪を引っ張る
(7) 相手の頭や首をキャンバスに突き刺す(いわゆるスパイキング、パイルドライバー)
(8) 脊椎や後頭部への打撃攻撃
(9) 喉へのあらゆる直接的な打撃、気管を掴む行為
(10) 広げた指を相手の顔や目に向ける行為
(11) 肘の先端を下に打ち落とす行為(12時6時に肘を縦に振り下ろす打撃攻撃)
(12) 股間へのあらゆる攻撃
(13) グラウンドポジションの相手の頭部への蹴り、膝蹴り
(14) グラウンドポジションの相手への踏みつけ
(15) 相手のコスチュームやグローブを掴む
(16) 手や足の指でフェンスや試合場を構成する部位を掴む
(17) 小さな関節(手足の指)を巧みに操る攻撃(small joint manipulation)手の指を掴む場合は3本以上掴むのは認められる。
(18) 試合場外に相手を投げる
(19) 相手の体の開口部や傷口、裂傷部に指を入れる
(20) 皮膚を掴む、つまむ、ひねる、ひっかく
(21) 相手との接触を避けるあらゆる消極的な姿勢(意図的または継続してマウスピースを落としたり、怪我のふりをすることなど)
(22) 試合場内で口汚い言葉を吐く
(23) 審判員の指示を著しく無視する
(24) 相手の負傷の原因となるようなあらゆる非スポーツマン的行為
(25) ラウンド終了の合図が鳴らされたあとでの相手への攻撃
(26) ブレイク中の相手への攻撃
(27) レフェリーのチェックを受けている最中の相手への攻撃


第6章 反則ならびに負傷に対する処置

第21条 レフェリーは、反則に対して次のように処置する。
(1) レフェリーは、競技者が犯した反則行為に対し、行為の重大性等を勘案して、自らの裁量により、①口頭による注意②注意③警告④失格(反則負け)の処置をとることができる。その場合、反則を犯した競技者とその処置を適切な合図や身振りで明瞭に示さなければならない。
(2) 「失格」は、反則を複数犯した場合、または目に余るファウルの後、レフェリーの裁量により宣告される。
(3) 反則を犯した競技者の点数から、レフェリーの裁量によって減点され得る。
(4) レフェリーは、所持している2種類のカードにより減点を明示する。黄色(イエローカード)は注意=1点減点、赤(レッドカード)は警告=2点減点を示す。
(5) レフェリーのみが反則を評価できる。レフェリーが反則をコールしていない場合には、ジャッジは自分でその評価をしてはならないし、得点の計算に加味してはならない。
(6) 反則が犯された場合(特に負傷・ダメージを伴うもの)は、原則として、
①レフェリーはタイムアウトをコールする。
②レフェリーは反則を犯した競技者にニュートラルエリアにいるよう指示する。
③レフェリーは反則を受けた競技者のコンディションと安全をチェックする。
④レフェリーは反則を犯した競技者の反則の重さを評価し、適切と思われる減点を課す。その反則が、偶然か故意か、あるいは減点すべきか否かについてのレフェリーの決定を、ジャッジ、セコンド、アナウンサーに告知する。
(7) 下(劣勢)のポジションにいる競技者が反則を犯し、上(優勢)の競技者が負傷していなければ、試合を継続する。そして、
①レフェリーは、下(劣勢)のポジションにいる競技者に口頭で反則を告知する。
②ラウンド終了時に、レフェリーは反則の重さを評価し、ジャッジ、セコンド、アナウンサーに告知する。
③レフェリーは、反則が重大であった場合に試合を終了させることができる。そのような目に余る反則を犯した競技者は失格によって敗者となる。

(8) 下(劣勢)のポジションにいる競技者が反則を犯し、上(優勢)の競技者が負傷をしている場合は、「ストップ・ドント・ムーブ」をコールしてから反則への処置をとり、そのままの体勢から試合を再開するかレフェリーの判断により再開時のポジションを決めることができる。
(9) レフェリーは、偶然に起きた軽度の反則行為、および軽度の負傷等に対しては、自己の裁量により試合を中断せず続行させることができる。

第22条 試合前・後に行われた反則の処置
(1) 試合開始前に反則行為が行われた場合、反則に対する処置により減点された状態で試合開始される場合や反則負けとなる場合がある。
(2) 試合終了後に反則が行われた場合、また試合前・中に行なわれた反則が試合後に判明した場合、反則の内容により試合結果が変更される場合がある。

第23条 ローブロー、アイポークの反則
(1) ローブロー、アイポークを受けた競技者には、リングドクターが試合を続行できると判断する限りで、最長5分まで回復の時間が許容される。
(2) 5分以前に競技者が続行できる状態であったなら、レフェリーはできるだけ早く、試合を再開しなければならない。
(3) 競技者が5分の割り当て時間を過ぎても、試合を再開できない場合は、試合が停止されたラウンドと時間までで決せられた結果によって終了する(第25条を参照)。

第24条 ローブロー、アイポーク以外の反則
(1) 偶発的な反則により試合が停止した場合、レフェリーは、反則を受けた競技者が試合を継続できるかどうかを決定しなければならない。競技者の勝利へのチャンスが、反則の結果、重度には侵害されておらず、その反則が被反則者の頭部に脳震盪に類する衝撃がない場合は、レフェリーは、5分以内の回復のためのインターバルのあと、試合の続行を命じることができる。
(2) 一方の競技者が反則攻撃を受けた場合、レフェリーは試合を止め、タイムを要求する。レフェリーは、リングドクターのもとに負傷した競技者を渡し、リングドクターは、試合を継続するのに適格かどうかを診察する。リングドクターは決定をするために5分までの時間が与えられている。リングドクターが、その競技者が試合を続行できると判断した場合、レフェリーはすぐに試合を再開しなければならない。ローブローの反則ルールとは異なり、競技者は自身の裁量で5分までの時間を使うことはできず、レフェリーに指示されたときは試合を続けなければならない。
(3) ローブロー、アイポーク以外の反則により負傷した競技者がレフェリーによって試合続行に不適合と判断された場合には、レフェリーはすぐに試合の中断をコールしなければならない。5分の時間がまだ残っているにもかかわらず、レフェリーによって、続行に不適合と判断された場合には、競技者は残り時間があることをもって抵抗することはできず、試合は終了されなければならない。
(4) レフェリーが試合を停止し、リングドクターの検査を求める場合、医師の診察は5分を超えてはならない。5分を超えた場合は、試合を再開することはできず、試合は終了されなければならない。

第25条 正当な攻撃あるいは反則等により蒙った負傷に対する処置
(1) 試合中に正当な技術の結果として負傷した場合で、試合終了に相当する負傷であったなら、負傷した競技者はTKO負けとなる。
(2) 試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断した場合で、試合終了に相当する負傷と判断されたなら、負傷させた競技者は失格負けとなる。
(3) 試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断した場合で、試合続行が認められた場合には、反則を犯した競技者から2点が減点される。
(4) 試合中に負傷し、それが意図的な反則の結果によるものとレフェリーが判断し、試合続行が認められた場合で、その反則により負傷した競技者が再開後の時点で続行不可能となり、その時点でスコアをリードしていた場合は、負傷した競技者のテクニカル・デシジョンによる勝利となる。試合停止時点でスコアが同点あるいは負傷した競技者がビハインドの場合は、テクニカル・ドローとなる。
(5) 相手に反則を犯そうとしていた競技者が自ら負傷した場合、レフェリーはその競技者に有利になるような行動をしてはならず、その負傷は正当な攻撃によるものと同じに扱わなければならない。
(6) 試合中の偶発的な反則の結果の負傷とレフェリーが判断し、レフェリーが即座に試合の終了が相当と判断した場合で、3ラウンドの試合であれば2ラウンドが完了していない場合、また5ラウンドの試合であれば3ラウンドが完了していない場合、ノーコンテストとなる。
(7) 試合中の偶発的な反則の結果の負傷とレフェリーが判断し、レフェリーが即座に試合の終了が相当と判断した場合で、3ラウンドの試合であれば2ラウンド後の場合、また5ラウンドの試合であれば3ラウンド後の場合、その時点でのスコアでリードしている競技者をテクニカル・デシジョンによる判定勝ちとする。
(8) 完了していないラウンドも他のラウンドの判定と同じ基準を用いて、そのラウンドが終了した時点までを判定しなければならない。

第26条 意図的に反則を行ったと認められた場合、試合における減点のほか、出場停止および罰金を科す。出場停止期間および罰金の額は、反則の悪質性、重大性等の程度により、主催者が協議の上決定する。

第7章 セコンド

第27条 セコンド
(1) セコンドは、各コーナー3名以内とし、試合中、自軍のセコンドエリアから外に出てはならず、観客の邪魔にならないよう配慮しなければならない。
(2) セコンドは、試合中、競技者に言葉による助言を与えることができるが、競技者に直接接触する、マットを叩く、フェンスやリングロープを掴む、触るなどの動作をしてはならない。
(3) セコンドは、インターバル中、競技者に水のみ与えることができる。ただし、マットを濡らしてはならない。
(4) セコンドは、試合場内に試合放棄を示す規定のタオル以外のいかなる物も投げ入れてはならない。
(5) セコンドは、(2)から(4)に掲げられた行為以外にも、試合進行を妨げるいかなる行為も行ってはならない。
(6) セコンドが競技者の負傷等を察知し、レフェリーに試合の終了を求める場合は、サブレフェリーまたはジャッジを通じて申告しなければならない(サブレフェリー、ジャッジがホイッスルを吹いてレフェリーに試合の終了を求める)。
(7) セコンドは、2名までインターバル中、試合場内に入ることができる。
(8) セコンドは、インターバル中、競技者の競技用具の細工や身体へのオイル塗布などの行為を行うと退場となり、競技者が失格(反則負け)となる場合がある。
(9) セコンドによる各コーナーの反則は1回目で注意、2回目で退場となる。また、試合場内に物を投げ入れた場合や、重度の違反行為があった場合には、競技者が失格となる。
(10) セコンドは、試合中リングやリングエプロン等、試合場にいかなるものも置いてはならない。
(11) セコンドは相手選手および審判員への罵倒、侮辱、暴力行為を行なってはならない。
(12) セコンドは試合開始前審判員へ選手が預けられたあと選手は触れることはできない。

第8章 タイトルマッチ

第28条 タイトルマッチ
(1) 挑戦者は、主催者が選定する。
(2) タイトルマッチは、TOPBRIGHTS MMAルールに則って行われる。
(3) 引き分けの場合は、王者の防衛となる。
(4) 計量に合格できなかった競技者は王座に就けない。試合は第2条(2)の条件のもと以下の条件で行われる。
①タイトルマッチで、王者が正規の体重を維持できなかった場合、王座は空位となる。
②王者が正規の体重以外で正規の体重の挑戦者に負けた場合(不戦敗を除く)、王座は移動する。
③王者が正規の体重以外で正規の体重の挑戦者に勝つか引き分けた場合、王座は空位となる。
④王者が正規の体重で、挑戦者が正規の体重を維持できなかった場合、王者は当該試合をタイトルマッチとして行うか否かを選択することができる。
ⅰ)王者が当該試合をタイトルマッチとして行うことを選択し、当該試合に勝つか引き分けた場合、タイトルを防衛したものとみなす。
ⅱ)王者が当該試合をタイトルマッチとして行うことを選択し、当該試合に負けた場合、タイトルは空位となる。

第29条 公式に発表されたタイトルマッチが行えない場合
(1) 王者のやむを得ない理由によりタイトルマッチが行えない場合、王者は当初の試合予定日から1年以内に防衛戦を行わなければならない。防衛戦が行えない場合は、速やかにその座を返上しなければならない。
(2) 王者の重大な責めに帰する理由によりタイトルマッチが行えない場合、王者は速やかにその座を返上しなければならない。新しい王座は、主催者の指名する選手が対戦する、新王者決定戦によって決せられる。
(3) その他、上記に含まれない事例が生じた場合、速やかに主催者を招集し、その決定に従って対処する。

第9章 提 訴

第30条 提 訴
(1) 競技者、セコンドおよびジム代表者は、次に掲げる事由について主催者に提訴することができる。
①ルールの適用の誤り
 ②試合結果に影響を及ぼす重大な事実誤認
(2) 提訴は、すべて文書をもって試合後2週間以内に行うこととし、口頭によるものは無効とする。その提訴に対して主催者は、文書によって裁定の結果を通知する。
(3) 試合における裁定等に対する異議の申し立ては、当該レフェリーやジャッジおよび試合役員ではなく、主催者宛としなければならない。
(4) ジャッジの判定に対する異議の申立ては受理しない(ジャッジの判定は終局的であり、主催者が判定を変更することはない)。ただし、将来における判定の改善を提案する意見書の提出は認める。

以上